第九の歴史的名演奏と全否定から発見へのストーリー。 - ミナムラのまど

第九の歴史的名演奏と全否定から発見へのストーリー。

今だにベスト盤とされている1951年フルトヴェングラーのバイロイト音楽祭。


ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱」LPレコードジャケット

なぜ年末には第九なのか?

日本ではまだ貧乏だった戦後間もないN響のメンバーがお正月の餅代を稼ぐために
チケットがよく売れる第九の演奏会をしたことが始まりと言われています。

30年ぐらい前は大晦日の夜N響の生中継を放送していましたね。

今は12月25日(ことしは)のコンサートの録画・録音です。

「大晦日だから第九」という習慣は好きだったんですけどね〜。


ここでいっている「第九」とは、
もちろんベートーヴェンの交響曲第9番『合唱つき』のことであります。

この「大工」のことではありません (笑)

おとうさんはだいくさん


本国ドイツでも、大晦日に第九を演奏するのかはともかく、
ここぞという大切なイベントのときに第九が演奏されているような印象があります。

それには、第九という曲の成り立ちと、
敗戦から復興にいたるドイツ国民の感情との間に
不思議な関連があるような気がしてならないのです。

ベートーヴェンの交響曲第9番は、
それまで演奏してきた美しい1楽章から3楽章までの音楽を否定して、
「もっと美しい音楽はないのか?」ということで「歓喜の歌」を歌い上げる曲なのです。


Furtwangler: Beethoven Symphony no. 9 (Bayreuth 1951, Alternative version) 7/9 - YouTube

動画の演奏は1951年のバイロイトと呼ばれる歴史的名演奏の、
戦後復活したバイロイト音楽祭でフルトヴェングラーが戦後初めて指揮した演奏です。

しかも、フルトヴェングラーから録音を拒否されていたのにフルトヴェングラーの死後にEMIから発売されたいわゆるEMI版ではなくて、
バイエルン放送の放送録音がCD化された、いわゆるバイエルン放送版です。

バイエルン放送版はEMI版と比べてはるかに音質がよいのですが、
録音された演奏がバイロイト音楽祭本番なのかゲネプロ(本番前の通し練習:ゲネラル・プローベの略)なのかという諸説があります。

本番であれゲネプロであれ、お聴きいただければその音楽がすばらしいことはおわかりになると思います。


で、動画は第九の第4楽章冒頭の歌が出る前の部分です。


第4楽章は侃々諤々(かんかんがくがく)の議論から始まります。

おお友よ、このような旋律ではない!
もっと心地よいものを歌おうではないか。もっと喜びに満ち溢れるものを。


まず、第1楽章の冒頭部分が演奏されます。

するとチェロとコントラバスが、
「いや、そんな音ではない」とでもいうように否定します。

次に、第2楽章が歌われます。

するとまた、チェロとコントラバスが否定します。

そして、第3楽章

チェロとコントラバスはまた、今度はもっと強く否定します。


するとクラリネットとホルンが、歓喜の歌のメロディーを提案します。

チェロとコントラバスは、その提案に同意して、
「それ、いいんじゃない?」という感じ。

トランペットから「いいぞ!いいぞ!」なんて声がかかったりして。

チェロとコントラバスは改めて歓喜の歌をそっと歌い始めます。

やがて賛同する人が増えてきて、得も言われぬ美しい音楽をかなで始めます。

そして全員で歓喜の歌を歌い始めるのであります。

この部分が第九の中でいちばん感動するところなんだな〜。僕は。
動画でいうと5:00ぐらいのところです。
なんてややこしいことをいわずに、もう一度そこから再生しましょう。


Furtwangler: Beethoven Symphony no. 9 (Bayreuth 1951, Alternative version) 7/9 - YouTube

そして、上の動画につづいてバリトンソロが歌い始めるわけです。

オー フロインデ、ニヒト ディーゼ テネ
O Freunde, nicht diese Töne!

おお友よ、このような旋律ではない!

ソンデルム ラスト ウンス アンゲニーメレ
Sondern laßt uns angenehmere

もっと心地よいものを歌おうではないか

アンシュティンメン ウント フロイデンヴォルレーレ
anstimmen und freudenvollere.

もっと喜びに満ち溢れるものを

(日本語訳はWikipediaより)

この部分は、よく知られているシラーの「歓喜に寄せて」ではなくて、
ベートーヴェン自身が書いた歌詞です。

ベートーヴェンはこれが言いたかったのではないかと思います。


上の動画のつづき・・・だけじゃなくて第1楽章から第4楽章まで全曲が収録された動画を掲載します(74分)。
お時間がとれるときにお楽しみください。


1951. Beethoven: Symphony No. 9 - Schwarzkopf, Höngen, Hopf, Edelmann (Furtwängler, Bayreuth) - YouTube

上の動画と同じところから再生するように設定してあります。
ほかのところをお聴きになりたい場合は、動画下の赤い棒グラフを調整するか
リンクからYoutubeのサイトに飛んでお聴きください。


1951年のバイロイト EMI版

1951年のバイロイト バイエルン放送版


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記事末尾104posted by +M Inamura (水村亜里) メール aminamura@gmail.com




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